立春

旧暦のお正月に当たる立春

梅の花もほころんで、こんなに寒いのにご苦労様と言いたくなるような。

しかし、暦の上だけとはいえ、やはり「春」という字面は無条件で私たちの心を軽やかにする。

あともう少し、あともう少し

寒いのを我慢すれば桜が咲いて美しい季節がやってくる

幕末の風雲に散った志士たちやその恋人たちも

そういうふうに

あともう少し、あともう少し

と次に来る光り輝く世の中を夢見ていたのだろうか。

登世の壮大な一目惚れと初恋は平和への祈りとなり、戦いを終わらせる。

一途で美しい恋。

一人一人が歴史を作っていて、男とか女とか関係なく、

みんなが一生懸命生きて、恋して、食べて、笑って、泣いて今がある。

命は愛おしいと、抱きしめたくなる物語。

春の始まりに愛を添えるような一冊です。


0コメント

  • 1000 / 1000